初心者必見!オオクワガタを大きく育てるには?前編
黒いダイヤとも言われるオオクワガタ。
人気も非常に高く、価格も産地血統、サイズによっては10万円を超えるような個体も存在します。
子供の頃に、図鑑などで見て、オオクワガタ飼育に憧れた方も多いのではないでしょうか。
まず最初に、2020年にオオクワガタの飼育レコードは、92.7㎜に更新されました。
1999年に80㎜という個体が現れてから、20年余りの間に10㎜以上も全長サイズが大きくなりました。
これは、オオクワガタブリード(繁殖)に関して、ブリード技術の向上、菌糸などのブリード用品の品質向上など、多くの方の尽力によるものです。
そして今なお、レコードの更新を目標とする、超ハイレベルなブリーダーが数多く存在しています。
当然、これからブリードを始める方が、いきなりレコードレベルの個体を作出出来るはずはありません。
しかし、折角ブリードに挑戦するのであれば、なるべく大きな個体を出したいですよね。
今回は、オオクワガタ飼育初心者向けのブリード手法について、
オオクワガタを大きく育てるにはどうしたら良いかを、分かりやすく解説をしていきたいと思います。
①種親を入手する
まず初めに親虫となるペアを手に入れなくてはなりません。
オオクワガタには、三大産地、三大大型産地、大型血統というものが存在します。
三大産地・・・佐賀県筑後川流域、大阪府能勢、山梨県韮崎
三大大型血統産地・・・大阪府能勢、兵庫県川西、福岡県久留米
有名血統・・・能勢yg、能勢SR、奈良輪川西、マツノ久留米など
サイズを出すのであれば、これらの産地血統の個体を手に入れるのが理想的ですが、大型サイズは価格も手が出にくいのは確かです。
オオクワガタは産地により、形状特徴があったりもしますので、自分好みの個体を選ぶのも良いでしょう。
大型血統でも、成虫サイズによっては比較的手頃な価格で入手することも可能です。
まずはお財布と相談して、無理のない程度で予算を決めましょう。
初心者がオークションサイトなどで生体を購入をすることはおすすめしません。
確実なのは、ある程度メジャーな昆虫ショップです。
家の近くにない場合は、今はネット販売をしているショップも結構あるので、探してみるといいかもしれません。
(注意点)オオクワガタは十分に成熟しているペアを使用してブリードをしてください。目安としては羽化日から6~12か月経過していること。購入の際は必ず羽化日を確認しましょう。成熟が十分でない場合、卵を産まなかったり、産んでも数が少なかったり、また幼虫の成長に影響が出たりもします。
②必要な飼育用品など
昆虫ショップで直接購入した場合は、成虫の飼育容器に入った状態での販売がほとんどだと思いますので、
成虫の管理はそれで問題ありません。餌の昆虫ゼリーは用意します。
ブリード手順としては、
ペアリング(交尾をさせる)⇒産卵させる(産卵セットと呼ばれる飼育容器内に♀を入れる)
⇒孵化した幼虫を割り出す⇒幼虫を菌糸ボトルで飼育する⇒適宜菌糸ボトルを交換する(計2~3回)
⇒成虫に羽化した個体を取り出す
これが大体の1サイクルです。
③産卵セットを組む
産卵させるためのケースが別途必要になるのと、その際に使用するマット、産卵用の木材(産卵材)を用意しておきます。
オオクワガタの産卵自体は難しくありませんので、通常の方法→様々なサイトで紹介されている産卵セットの組み方で問題ありません。
なので、詳細はここでは割愛します。
私の場合は、産卵一番のような産卵用マット、クヌギ産卵材orニクウスバタケ材で産卵セットを組んでいます。
④幼虫割り出し
産卵セットを割り出すタイミングですが、私は卵か初令初期幼虫で割り出しを行います。
経験上、採卵をして孵化させた初令初期幼虫を菌糸に投入しても、菌糸に巻かれて死んでしまうということは極めて稀なためです。
100%ではありませんが、比較的リスクが低いことに関しては、あまり繊細になり過ぎないことも大切かと思います。
十分な数が採れなかった場合は多少慎重になるかもしれませんが。。。
ここから先が、ポイントとなる幼虫飼育の開始となりますので、後編にてご紹介したいと思います。