初心者必見!オオクワガタを大きく育てるには?後編
さて、ここからいよいよオオクワガタの幼虫飼育が始まります。
オオクワガタの幼虫は、1頭ずつ個別に飼育管理を行います。
大事なこと。結論をいきなり書きます。
①温度管理と飼育環境
②ボトル交換のタイミング
③菌糸
以上です。
まずは、温度管理ですが、オオクワガタが孵化してから成虫になるまで、♂であればおよそ10ヶ月~14か月程度。メスは早期羽化だと6ヶ月程、通常で8~12ヶ月前後が目安になります。
表のようなイメージで1年の温度管理をしていきます。
私の場合は、エアコンで室温ごと管理しています。
ワインセラーを使用している方も多いですが、発泡スチロールやスタイロフォームなどを使った、自作の簡易温室で管理をする方もいます。
このあたりはブリード環境や予算に応じて対応しましょう。
常温での飼育でサイズを大きくするのは中々難しいと思います。
出来るだけ、温度の昇降幅を少なく抑えることがポイントとなります。
また冬季温度を幼虫に感じさせ、休眠期間を取らないと、幼虫がスムーズに蛹化せずにセミ化する確立が大幅に上がってしまいます。
※セミ化とは…1年で成虫にならず、2年1化と呼ばれるような、幼虫期間が通常よりも長くなってしまうことです。羽化不全のリスクが高くなります。
続いて、ボトル交換のタイミングですが、一定期間で交換する方法と、菌糸の状態を見ながら交換する方法があります。
これは人それぞれですが、要はタイミングを逃さなければどちらでも大丈夫です。
ただ、初心者の方は、菌糸の状態を見て判断するのは難しいと思うので、最初は一定期間で交換する方が無難だと思います。
まずは、
初令幼虫を200㏄の菌糸プリンカップで1ヶ月管理します。
1本目⇒800㏄菌糸ボトルで3ヶ月
2本目⇒♂は1500㏄菌糸ボトルで4ヶ月、♀は800㏄菌糸ボトルで羽化まで
3本目⇒♂は1500㏄菌糸ボトルで羽化まで
基本的にはこのスケジュールで問題ないと思いますが、3ヶ月×4本で羽化させる方もいます。
↑3本目投入時の幼虫
最後は、気になる方も多いと思われる、”菌糸”についてです。
様々なメーカーやショップオリジナル商品があるので、どれを使ったらいいのか。
初めてですと、ここで悩む方がほとんどだと思います。私も最初の頃はそうでした。
ただ、こればっかりは絶対コレがオススメ!とは言えないのです。
何故か。
ブリード環境が人それぞれ違うからです。
今は菌糸の品質もかなり向上しているので、よほど変なものでなければ、そこまで失敗はありません。
オオクワガタのブリーダーさんは、使用している菌糸を公開している方が多いのは、上記の理由によるものです。
同じ菌糸を使用したところで、同じ結果は得られないのです。
最初は、いくつか気になる菌糸を複数使ってみることをオススメします。
菌糸や用品については、いくつかリンクを貼っておくので、良かったらどのような物なのか、見てみてください。商品画像をタップorクリックすると詳細を見ることが出来ます。
そこから先は、菌糸ごとの特性を徐々に理解し、環境に合った菌糸、♀親が食べて育った菌糸などの要素を追々取り入れていけば良いと思います。
ここで気になるのは、菌糸に掛かるコストです。
菌糸ボトルは、既製品を使うか、自詰めするかでコストが大きく変わりますし、これは幼虫の成長にも大きく影響します。
可能であれば、自詰めのボトルを使用した方が、コストは低く抑えられ、成長面でも良い結果が得られるかと思います。
幼虫を育てるコスト試算に関しては、コチラの記事をご覧ください。
既製品ボトルを使用する場合は、なるべく固詰めしてあるものを選びましょう。
あとは、極力触らず、静かで暗い場所で幼虫にストレスを与えないように保管して下さい。
私は昨年、愛知県祖父江産のオオクワガタ、親虫は♂78㎜、♀46㎜から、最大82㎜の♂が得られました。
親のサイズは当然重要ですが、ポテンシャルが高ければ、ブリードの仕方によって結果は大きく変わります。
そこがオオクワガタブリードの楽しさでもあります。
今年は、種親として文句なしの久留米が控えていますので、私も失敗をするわけにはいきません。
結果は、また様々な検証をして記事にしますので、乞うご期待。
興味がある方は、是非オオクワガタのブリードに挑戦してみてください!